Blenderは非常に強力な3Dモデリング&アニメーションツールですが、そのバージョン管理やアップデートには少々手間がかかることがあります。そこで登場するのが 今回紹介するBlender Launcher。このツールを使えば、Blenderの複数バージョンを簡単に管理・起動でき、制作フローをよりスムーズにできます。
この記事では、Blender Launcherでできることを中心に紹介します。
Blender Launcherとは?
Blender Launcherは、非公式のオープンソースツールで、複数のBlenderバージョンを簡単にインストール・管理・実行できるアプリケーションです。開発中バージョン(alpha、beta、daily buildなど)や安定版を自由に選んで使用することができるため、Blenderユーザーや開発者にとって非常に便利なツールです。
Blender Launcherでできること
続いてBlender Launcherで出来ることを中心に紹介していきます。
複数バージョンのBlenderを簡単にインストール・切り替え

Blender Launcherの最も大きな利点は、複数のBlenderバージョンを簡単にインストール・管理できることです。通常であれば、ユーザーがBlenderの公式サイトにアクセスし、目的のバージョンを探してダウンロード、保存先を管理するという手間が発生します。
しかしBlender Launcherを使えば、アプリ内で安定版・LTS・Beta・Alpha・Experimentalといった各種ビルドが一覧で表示され、ワンクリックでインストールが完了します。バージョン切り替えも非常にスムーズで、複数バージョンを同時に保持しても混乱することはありません。
インストール済みのBlenderを一元管理
インストールしたBlenderの一覧は、Blender LauncherのUI上で明快に表示されます。バージョン番号やインストール日時、ディスク使用量といった情報が視覚的に整理されており、どのバージョンがどの用途だったかを簡単に把握できます。そこから即座に起動したり、インストール先のフォルダを開いて手動でファイル操作を行ったりと、操作性にも優れています。
起動オプションのカスタマイズ
Blender Launcherは、各バージョンに対して起動オプションを自由に指定できる柔軟性を備えています。たとえば、「–factory-startup」で初期設定状態のBlenderを起動したり、「–debug」や「–verbose」などのフラグを付けて開発・デバッグ用途に活用することが可能です。
特にアドオン開発者や技術者にとっては、こうした詳細な起動制御がワンクリックで行えることは大きなメリットです。
ユーザー設定やアドオンの分離管理
Blender Launcherは、Blenderの各バージョンごとに独立した設定フォルダを使用することも可能です。
つまり、バージョンごとに異なるユーザープリファレンスやアドオン環境を設定することができ、作業環境が混ざってしまうリスクを避けられます。これにより、Blender 4.0では新しいアドオンや機能のテストを行い、3.6 LTSでは安定した作業環境で本番作業を行うというような運用も可能です。
自動アップデートと最新機能の即時使用
Blender Launcherは、開発中のビルド(特にdaily build)に対して自動で更新チェックを行う機能も備えています。これにより、ユーザーは常に最新の機能やバグ修正を取り入れたBlenderをすぐに試すことができ、新機能の評価やフィードバックを迅速に行えます。
開発者や先進的なユーザーにとっては、非常に魅力的なポイントになります。
軽量で使いやすいインターフェース
全体のUIは非常にシンプルで軽量に設計されており、PCへの負荷も少なく快適に操作できます。起動も速く、動作も安定しているため、日常の作業フローの中で違和感なく導入することが可能です。
特別な設定や知識がなくても直感的に使えるのも魅力の一つです。
まとめ
Blender Launcherは、Blenderユーザーにとって非常に便利なツールです。公式サイトからの手動ダウンロードや複雑なファイル管理を一切不要にし、複数バージョンのBlenderをインストール、管理、起動できます。これにより、プロジェクトや用途に応じて最適なBlender環境を即座に切り替えられるため、制作効率が大幅に向上します。
特に、日々更新されるAlphaやBetaの開発版を気軽に試したい開発者やアドオン制作者にとって、Blender Launcherは不可欠なツールと言えるでしょう。バージョンごとに設定やアドオン環境を分けて管理できるため、安定版での作業と実験的な機能検証を混在させることなく進められるのも大きなメリットです。
さらに、自動アップデート機能や起動オプションのカスタマイズなど、高度な使い方も直感的に行えるため、初心者から上級者まで幅広いユーザー層に対応しています。
これからBlenderでの制作や開発を本格的に始める方、また既に複数のバージョンを使い分けている方は、ぜひBlender Launcherを導入してみてください。日常的なバージョン管理が軽減され、より快適で効率的な制作環境を構築することが可能です。。