Blenderはオープンソースで提供されている無料の3D制作ソフトウェアであり、映画のVFXやゲーム開発、アニメーション制作、さらには3Dプリント用のモデル作成まで、多岐にわたる用途で世界中のクリエイターに使われています。

しかし、その高機能さゆえに初めて触れる人にとっては操作画面や専門用語が多く、最初の壁にぶつかることが多いのも事実です。特に3Dの世界では、「オブジェクト」「メッシュ」「マテリアル」など、基本用語の理解がなければ効率よく学習を進めることは難しいでしょう。

そこで本記事では、Blenderを扱ううえで絶対に知っておきたい基本的な用語を8つ厳選し、わかりやすく丁寧に解説します。これらの用語を理解することで、モデリングやレンダリング、ライティングなどの具体的な操作がスムーズになり、3D制作の全体像を把握しやすくなること間違いなしです。

3D制作の第一歩として、まずは用語の意味と役割をしっかり押さえ、Blenderの操作に臨みましょう。

絶対に知っておきたい基本用語8選

3Dモデリングやアニメーション制作に使われる人気ソフト「Blender」。多機能で自由度が高い反面、専門用語が多くて最初は戸惑うことも多いですよね。そこでここでは、Blender初心者が押さえておきたい基本用語8つをわかりやすく解説します。

オブジェクト(Object)

Blenderで使う「オブジェクト」とは、画面の中にある全部のものを指します。例えば立方体や球、カメラ、ライトなど、それぞれ独立した「もの」の単位です。
オブジェクトは形や大きさを変えたり、動かしたりできる基本の単位。複数のオブジェクトを組み合わせて複雑なモデルを作ります。

Blenderでは「オブジェクトモード」という状態で操作し、まとめて選択や移動ができます。

メッシュ(Mesh)

「メッシュ」とは、3Dモデルの形を作るための「骨組み」みたいなものです。たくさんの「頂点(てん)」、それをつなぐ「辺(せん)」、そして「面」でできています。
例えば、立方体は8つの頂点、12本の辺、6つの面でできているので、これらを編集して形を変えることができるわけです。

メッシュを編集すると、キャラクターや建物など好きな形を作り出せます。

編集モード(Edit Mode)

「編集モード」は、オブジェクトの形を細かく変えたい時に使うモードです。ここではメッシュの頂点やエッジ、面を直接選んで動かしたり、追加・削除したりできます。

例えば、立方体の一部だけを伸ばしたり、丸みを付けたり、穴を開けたりできるのが編集モードです。
モデリング作業の基本的な作業場になります。

オブジェクトモード(object Mode)

「オブジェクトモード」は、シーン内のオブジェクト全体を管理・操作するモードです。
形を変えるのではなく、オブジェクトの位置を変えたり、回転させたり、大きさを変えたりします。複数のオブジェクトをまとめて動かすときもここで操作します。

簡単に言うと「大きなものの移動や配置換え」をする作業場です。

レンダー(Render)

「レンダー」とは、3Dの画面にあるシーンを、写真や動画のような見た目で出力する作業のことです。
レンダリングすると、光の当たり方や影、反射などが計算されてリアルに表現されます。

Blenderには「Cycles(サイクルズ)」というリアルな光の反射を計算するエンジンや、「Eevee(イーヴィー)」という高速でレンダーするエンジンがあります。

マテリアル(Material)

「マテリアル」は、オブジェクトの表面の見た目を決める設定です。色やツヤ、透明さなどを決めます。
たとえば、金属のようにピカピカにしたり、布のようにザラザラにしたり、ガラスのように透明にしたりできるのがマテリアルです。

この設定を使って、モデルのリアルさや雰囲気を大きく変えられます。

テクスチャ(Texture)

「テクスチャ」は、マテリアルに貼り付ける画像や模様のことです。
例えば、木の表面の細かい模様や、レンガの壁の凹凸感を作るのに使います。テクスチャを使うと、色だけでなく「凹凸感」や「質感」も表現できるので、よりリアルに見せられます。

ライト(Light)

「ライト」とは、シーンに光を当てるためのものです。光源がなければ、3Dモデルは真っ暗になってしまいます。
ライトには、点から全方向に光を出す「ポイントライト」、特定の方向に光を照らす「スポットライト」、広い範囲を照らす「エリアライト」など種類があります。
光の色や明るさ、向きを調整して、シーンの雰囲気やモデルの見え方を変えるのが重要です。

まとめ

Blenderは非常に高機能で自由度の高い3D制作ソフトですが、その分、最初は覚えることや操作が多くて難しく感じるかもしれません。今回紹介した8つの基本用語は、Blenderを理解し操作するための土台となる重要な用語です。

・オブジェクト
Blenderのシーンを構成するすべての要素の単位であり、これを操作することで3D空間内の配置や大きさを変えることができます。

・メッシュ
3Dモデルの形状を構成する基本的な構造体で、頂点・エッジ・面の組み合わせで細かな形状を作り出します。

・編集モードとオブジェクトモード
それぞれ「形を細かく変えるモード」と「形そのものを移動・回転・拡大縮小するモード」であり、この使い分けをマスターすることで効率的なモデリングが可能になります。

・レンダー
3Dシーンをリアルな画像や動画に変換する処理であり、完成作品を世に出すために欠かせない工程です。

・マテリアルとテクスチャ
モデルの表面の見た目や質感を決める設定で、これらを工夫することでリアリティや雰囲気を大きく向上させることができます。

・ライト
シーンに光を与える要素で、光の種類や配置によって作品の印象が大きく変わります。

これらの基本用語を理解しておくと、Blenderのチュートリアルをよりスムーズに進められ、応用的な機能にも挑戦しやすくなります。最初は難しく感じても、用語の意味や役割を押さえることで3Dの世界の「見方」が変わり、作業の効率と楽しさが格段にアップします。

これからBlenderを使って自分だけの3D作品を作るために、まずは今回の基本用語をしっかり覚えて、一歩ずつ着実にスキルを積み上げていきましょう。疑問やわからないことがあれば、ぜひ積極的に調べたりして、楽しく制作を続けてくださいね!